犬の聴覚の凄さ

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こんにちは!名古屋のトイプードルカットならおまかせのトリミングサロン犬の美容室いちごです。

先月のコラムでは犬の嗅覚の凄さについてお話ししていきましたが
今回は犬の耳、つまり聴覚についてお話ししていきたいと思います。

聞き取れる音域の範囲

犬にとって聴覚は嗅覚の次に優れている能力になります。
もちろん人よりもはるかに優れています。

音域の範囲=可聴領域、つまりどこまで”高い音が聴こえるか”です。

人の可聴領域が約20Hz〜20,000Hzに対して
犬の可聴領域は約60Hz〜50,000Hzになります。

なので、人よりも倍以上に高い音が聴き取れるのです。

50,000Hzとはどれくらいの音の高さなのか、一般的に若い人だけに聴こえると言われているモスキートーンが18,000〜20,000ヘルツの間になります。
なので50,000Hzは私たち人には聴こえることのない超音波の世界になります。

ちなみに、その他の動物の最大可聴領域はこのようになります。
猫=100,000Hz コウモリ=120,000Hz イルカ=150,000Hz

聴こえる距離範囲

犬は1km以上離れた音を聞き取ることが可能と言われています。
静かな場所や遮るものがなければ、1km以上離れた音、さらに32方向から聞き取ることができます。

犬の耳は「外耳」「中耳」「内耳」の構造で成り立っています。
外耳→中耳→内耳の順に音が伝わり様々な神経を通り認識されます。
そして耳の中にある17本の筋肉のおかげで、音の方向に耳を向けることができ、32方向から正確な位置を把握することができます。
人は16方向しか把握することができません。

なので、犬の聴覚は私たち人には想像できないほど優れた能力になります。

聴力低下の原因

犬の聴力が下がる原因は様々です。
いつも過ごしている日常が原因になる可能性もあるので、一つずつ見ていきましょう。

年齢

人と同様に年を取るとともに耳が遠くなっていきます。
老化によるものなので進行を止めることはできませんが、少し大きめの声や高い声で呼びかけるようにしてみましょう。

遺伝性疾患

生まれつき耳が聞こえない、遺伝による先天性の難聴です。
生まれ持ってのものなので治ることはありませんが、耳が聞こえずとも、嗅覚があるので他の犬と同じように生活することができます。
先天性難聴はダルメシアンに多いと言われています。

感染症

耳の病気により聴覚低下です。特に多いのが”外耳炎”です。
外耳に細菌や真菌などが感染し繁殖することで炎症が引き起こされます。放置することで炎症が拡がり聴力の低下につながります。
きちんと耳の中を清潔に保ち、動物病院で治療をすれば治るものなので、”頭をよく振る” ”耳が赤くなっている” ”耳が腫れている” ”真っ黒の汚れ、臭いがする” などの症状があれば、かかりつけの動物病院に行くようにしましょう。

犬種による違い

嗅覚と同じように犬種や耳の形による聴力の違いはあるのでしょうか。
垂れ耳で耳の穴が塞がっているから聞き取りにくいのではないか。と思う人もいるでしょう。

しかし、生活環境による違いは少なからずあるかも知れませんが、犬種や耳の形による聴力の違いはほぼありません。

立ち耳や垂れ耳、また小型犬と大型犬など耳の形や大きさはそれぞれですが、そこに関係性はありません。

好きな音・嫌いな音

好きな音

・人の高い声(女性の声や赤ちゃんや子供に話しかけるような声)
・ピーピーとなるおもちゃの音
・餌の袋を開ける音
・過去に起こった嬉しい出来事を連想させる音

犬は基本的に高い音を好みます。
しかし、人間でも頭が痛くなるような高すぎる音は苦手です。

嫌いな音

・雷や花火などの大きな音
・掃除機やドライヤーの低音
・インターホンの音

意図せずに突然に発せられる強烈な音を苦手とします。
先祖が野生で暮らしていた時の名残で、急激な変化は命の危機とされていたからです。

苦手な音を克服するのはとても難しいものになります。
インターホンやドライヤーなどの音に体制をつけるには、子犬の時期(社会化期)に多くの音に慣れさせる必要があります。

聴覚を利用したお仕事

世の中には目の見えない人を助ける ”盲導犬” や犯罪を未然に防ぐ ”警察犬” など様々な場所で活躍しています。
そして聴覚を利用し、耳の不自由な方の助けになる”聴導犬”がいます。

聴導犬=聴覚障害者に必要な音を教え、音源へ誘導する

聴導犬の仕事内容

生活に必要な音(チャイム音、携帯の着信音、タイマーの音)などが何処で鳴っているのか、音の源まで案内します。
音を聞かないと気づけない事、生活の手助けをしてくれます。

聴導犬は盲導犬などと違い、聴覚障害者がわかっていない ”音” を自分で判断し教える必要があります。
唯一 ”自発的に作業をする” 必要があります。

さいごに

人よりもはるかに優れている犬の聴覚、人の言葉が分かるというのはあながち間違っていないのかもしれません。
様々な場所でいろんな音を聴く事は、脳の刺激にもなりますので積極的に沢山の音を聴かせてあげましょう。