毛玉の痛み
こんにちは!名古屋のトイプードルカットならおまかせのトリミングサロン犬の美容室いちごです。
「この子にお金がかけられないから、トリミングにもあまり連れてこれないの」
近年では犬の寿命が生活環境、食事、医療の発達によってぐんと伸びてきています。
犬を飼うと決まったとき、家族環境やライフスタイルに合う犬種を選ぶ人、犬種関係なく保護犬を迎える人など、決め方はさまざまです。
その際忘れずに考えておきたいことは、お金のこと。犬種によって特性が異なるように、飼育費用も犬種によって異なるものです。
主にかかる基本的な費用
●医療費
●フード、おやつの費用
●トリミング、ジャンプー費用
●しつけ、トレーニング費用
●リード・洋服等の費用
●トイレシート等の消耗品
どれもわんちゃんが快適に生活していく上で必要不可欠な費用です。
そして、わんちゃんには欠かせないお手入れであるトリミング。
毛がどんどん伸びてくる犬種にはカットも欠かせなくなります。毛を長く伸ばしてみたものの絡まってしまうのも悩ましいですね。
いざ、ブラッシングをしようとするとわんちゃんが逃げてしまったり、上手くできなかったり、絡まってしまった毛をとくと怒って噛みついてくるなど、お家でのブラッシングに悪戦苦闘している飼い主さんは多いと思います。
そこで本日は【毛玉、もつれ】について、説明していきたいと思います。
同時に、毛玉が起こす皮膚への悪影響やトリミングの大切さを感じ取っていただければと思います。
毛玉の実態
↑毛が固まってフェルトの様につながっている状態
上記の写真はマルチーズです。7ヵ月間、トリミングに行かず自宅でのシャンプーを繰り返した結果、根元から毛が固まってしまいフェルト状の毛玉が全身にできてしまいました。
①毛玉ができてしまう原因
毛玉の原因は、毛同士が絡まり合うことです。
絡まってしまう原因として考えられるのは、その子の生活環境に合っていないカットスタイル、トリミングペース、ライフスタイル、いつも同じ部分にだけ繰り返す毛玉の場合は、皮膚のトラブルやその部分に何か違和感を感じて舐めたり、掻いたりすることが原因だと推測できます。
また、「汚れ」「ブラッシング不足」「乾かし不足」「服や首輪、ハーネスによる擦れ」「犬同士のふれあい」などの原因もあります。
被毛が細く柔らかい毛質、長さのある毛はなお絡まりやすく、毛玉になりやすいです。
ブラッシングをしてるけれど毛玉になってしまうのは、正しい種類のブラシ、正しいブラッシングが出来ていないのかもしれません。
②毛玉ができることによっておこる悪影響
◆皮膚が引っ張られて痛みが発生する◆
毛同士がお互いに引っ張りあうため、痛みや皮膚の炎症を伴います。人で例えるなら髪の毛をずっと引っ張られている状態です。
通気性も悪くなり、汚れがたまりやすくなることから炎症を起こし、皮膚炎につながることがあるります。
皮膚が引っ張られるため歩きにくくなることもあり、最悪の場合は皮膚が裂けてしまう危険性があります。
過去には、糞尿で汚れ、酷い毛玉で覆われていたわんちゃんのトリミング中、実は足を骨折していてそのまま放置されていたということがありました。
動物は痛みに強いと言われていますが、とてもショックでした。
◆蒸れる◆
毛玉により通気性が悪くなり、汚れも溜まります。
細菌が発生した状態のままシャンプーを行った場合、皮膚と毛玉の間にすすぎ残しが発生し、炎症の原因になります。
菌はアルカリ化すると、異常繁殖をし皮膚病を起こします。
◆汚れがたまる◆
濡れた毛を放っておくともつれになります。
そしてジメジメしているので菌が繁殖します。菌の繁殖により皮膚病を引き起こします。
毛玉レベル① 鼻毛を抜く痛さ
もつれ部分に違和感を感じる。
軽いブラッシングで取ることができるもつれ。
毛玉レベル② デキモノが腫れている痛さ
生活が不快と感じる。
ブラッシングとハサミで取ることができる毛玉。
毛玉レベル③ ズキズキ
常時痛みを伴う。
ブラシでは取れないのでバリカンで丸刈りしなければいけない。
毛玉レベル④ 髪の毛を束にして引きずられる痛さ
身体の末端部分の毛玉(耳先、尾先)をとったあと、毛玉によって滞っていた体中の血液が勢いよく流れだし、それに違和感を感じてブルブルと頭を振る事によって遠心力がかかり、末端部分に血液が集まり血が吹き出してしまうこともあります。
毛玉を切ったり、刈ったりすると、滞っていた血液が勢いよく流れだし赤みや痒み、出血を伴う場合があります。
耳の部分は皮膚と軟骨により出来ています。 「耳血腫」(じけっしゅ)という軟骨が毛玉などの理由により亀裂や折まがることで内出血し、耳が腫れてしまう病気が発生することもあります。
最後に
どんな小さな毛玉でも、わんちゃんに負担なく取り除くことはプロでも難しく大変な事です。
汚れで固まってできた毛玉を取る場合、皮膚と毛玉にわずかな隙間が出来ていることがあるので、そのわずかな隙間のなかで皮膚に傷を付けないように繊細な作業が必要となります。
毛玉がある状態でお家で綺麗に洗ってあげた場合、根本がきれいになっている分、皮膚と毛玉との間に隙間がなくバリカンやハサミを使うことが難しく、地道にときほぐす場合もあります。
毛玉の下の皮膚に炎症がある場合はバリカンで、ハサミでブラシで触れないよう避けながら、細心の注意をもって作業しなければなりません。
ブラシがスムーズに通らなければそれは「もつれ・毛玉」です。
それは精神的苦痛、肉体的激痛、病気の可能性をも与えるものです。
大きさに関わらず、何一つ軽視はできません。
「うちの子は写真のわんちゃんみたいにもつれ・毛玉は酷くないから大丈夫。」
と思っている隣で尻尾を振りながら痛みに耐えているかもしれません。
「この子にお金がかけられないから、トリミングもあまり連れてこれないの」
この言葉を聞いてどう思いますか?