わんちゃんのイボ
こんにちは!名古屋のトイプードルカットならおまかせのトリミングサロン犬の美容室いちごです。
ワンちゃんも年を重ねるにつれ体には様々な変化がみられるようになってきますが、その一つとして「イボ」や「しこり」があります。愛犬をなでていてポコっとしたふくらみに気づいたことはありませんか?
また、トリミングをしてもらうと自分たちでは気づきにくいところにできものができていることを知ることもあるかと思います。
そんな時には、大小にかかわらず経過をしっかり見ておくことが重要になりますが、できている場所や大きくなるスピードなどでしっかりと獣医師に見てもらうことが必要になるケースもあります。
今回はイボについて少しお話をさせていただきます。
犬のイボとは
皮膚にできる腫瘍の一つです。多くは皮脂線種と呼ばれるもので、他には皮膚乳頭腫や皮脂腺過形成/上皮腫などがありこれらはすべて良性の腫瘍です。一方悪性のものには扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)、メラノーマ(悪性黒色腫)、皮膚リンパ腫などがあります。
また、腫瘍ではないですが腫瘍のようにみえる「腫瘤(しゅりゅう)」というこぶを作る皮膚のう胞もあります。
愛犬を撫でている時に気づくこともあるかと思いますが、皮膚上にポコっと円形にもりあがったドーム状のイボやカリフラワーのようにもこもことした形のイボができます。ピンクや黒色をしていたり、どんどん大きくなるものもあればあまり大きさが変わらないこともあります。
短期間で大きさに顕著な変化が無ければ良性のイボとして様子を見ることも多いようですが、短期間でどんどん大きくなったり炎症や化膿が強いと悪性の所見があると判断され外科的切除を行い病理検査に出すことを推奨されるようですね。
犬種や年齢の関係性
また、参考になるのが犬種や年齢です。これらによってイボのできやすさが変わる傾向もあります。年齢層では、シニアが最もイボができやすい年代です。老犬になると免疫バランスが崩れたり、体の巡りが滞りやすかったりするのでイボができやすいです。
犬種もイボの種類によってできやすい種類がありますが、とくにマルチーズ、ヨークシャテリア、コッカー、シーズー、トイプードルなどの犬種によく見られます。私自身、トリミングをしていてシーズーやトイプードルは中年以降になるにつれイボをよくみかけるようになる印象があります。
大きくなるイボ
悪性のイボは短期間で大きくなることも多いですが、良性のイボでもだんだん大きくなってくることがあり、部位によっては関節の可動域を狭めてしまう可能性があります。また、イボが大きくなるとわんちゃん自身もイボが気になり噛んだりこすりつけたりして出血するといった弊害を生むこともあるため、日常生活にも困るようになってきたらかかりつけの動物病院で切除がすすめられることもあります。
よく見られる腫瘍
わんちゃんによくみられるイボ(皮膚の腫瘍)は皮脂腺腫といい、皮脂を分泌する皮脂腺が膨らみ、さらにはカリフラワーのように盛り上がることもあります。皮膚腫瘍の中で発生が多いもので皮膚の腫瘍の1/3程度を占めます。これは体のどこにでも発生する可能性があるそうです。
良性の腫瘍ですが、稀に皮脂腺癌という悪性腫瘍の場合があり、炎症や潰瘍を伴います。
目元にできるしこり
イボは背中や足先、肛門周りなど様々な場所にできます。その中から今回は「目元」に注目してみましょう。
人間にとって身近な病気である「ものもらい」同様、眼のふちにイボのようなしこりができることがあります。わんちゃんのものもらいとは「マイボーム腺炎」という病気で、瞳の裏側にあるマイボーム腺から涙の油分を分泌し、涙が蒸発しないようにしている皮脂腺があり、まつ毛の生え際がマイボーム腺の出口になっています。その出口が細菌に感染したり分泌物が詰まったりすると涙の油分のバランスが崩れて炎症を起こしたりします。
マイボーム腺腫
こちらは先ほどお話ししたマイボーム腺にできる腫瘍のことで、わんちゃんによくみられる目元にできる腫瘍のことです。基本的には命にかかわらない良性腫瘍で、他の臓器に転移することもないようです。数ミリ程度の大きさであれば特に問題ないようですが腫瘍が大きくなりわんちゃんが気にして掻いたりこすりつけたりすることで結膜炎や角膜炎などの二次感染につながるような場合もあります。単に腫瘍が大きくなったことで目が開けづらくなることもあるようなので切除することも視野に入れておく必要がありそうです。
まとめ
日頃から、愛犬と触れ合うときにはスキンシップの一環として全身をよく撫でてあげるといいでしょう。昨日まではなかったふくらみが皮膚にできていることに気づけるかもしれません。目に見えない体の中では何が起こっているかすぐに気づいてあげることは難しいので、見えている範囲のものにいち早く気づいて経過を見てあげるためにも、お家で体に直接触れる機会をたくさん作って習慣化していきましょう!愛犬との時間も増えて一石二鳥でいいですね。